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アンティーク家具の足「バルボスレッグ」とは?
- 水野 友紀子
英国の伝統的な装飾の一つに「バルボスレッグ(BULBOUS)」があります。他に「ブルボーズ」や「ブルバス」とも呼ばれるこの言葉は球根状という意味です。
球根のように膨らんだ形をしている装飾のことを言いますが、フルーツのパイナップルやメロンのようにも見えることから「パイナップルレッグ」「メロンバルブ」とも呼ばれることも。
たっぷりの彫が入った英国らしいバルボスレッグ。時代に合わせていろいろ形を変えながら長く愛され続けているバルボスレッグの魅力をたっぷりご紹介します!
ITEM
いろんな家具のバルボスに夢中
Item1
代表的なアイテム
テーブル
バルボスレッグの代表的な家具No.1は、ダイニングテーブルです。
太くてドッシリしたバルボスレッグ脚がしっかりと支えてくれる感じのデザインは、特に天板の大きさを変えることが出来るドローリーフテーブルでよく使われています。
遠くから見ても存在感たっぷりの華かなバルボスレッグのテーブルで、食事の時間に花を咲かせてみませんか?
Item2
重厚感のある装飾
サイドボード
バルボスレッグは脚のデザインだけでとても重厚感があるので、家具も大型のものが多いんです。
幅が広いサイドボードは、バルボスレッグと同じように、家具全体に彫りがたっぷり施されたものが多いんです。
重厚で豪華なデザインだから、置いた瞬間、パッとお部屋に花が咲く・・・そんな美しさが魅力です。
Item3セットで作られた
ダイニングチェア
もともと、ドローリーフテーブルの脚に合わせて同じデザインで作られたバルボスレッグのダイニングチェア。
アンティークの場合は、テーブルとセットで見つかることがあまりないので、もし同じデザインで見つけることができたら、とてもラッキーです!
布座で張り替えもラクチンな大きな座面の椅子で優雅な時間を過ごしてください。
BULBOUS
そもそもバルボスとは
バルボスレッグの始まりは古く、もともとはイギリスのゴシック様式の僧院の柱に使われていた球根のような形のデザインが始まりです。
その後、球根型の脚に彫刻が施されるようになり、その豪華な装飾は、いろんな家具の支柱や装飾に用いられました。一般的には、16世紀から17世紀初めごろのエリザベス女王時代に流行したデザインです。
年代によってバルボスの形が進化していきます。年代順に詳しく見てみましょう。
Style
時代で見てみようバルボスの形
Style1 チューダー様式
バルボスレッグが誕生したのは12~15世紀頃のチューダー様式です。
当初は、バルボスの表面に彫刻などの装飾はなく球状で、正式名称は「カップアンドカバーレッグ」と言います。
名前の通りで、カップが上下にくっついているようなデザインで彫りがあまり入っていないものがチューダー様式のバルボスレッグです。
Style2 エリザベス様式
16世紀後半になると、イギリスだけでなくフランスの家具の脚にもバルボスレッグが使われ流行しました。
この時代のバルボスは、球状の部分に彫刻が施されて、とっても豪華な雰囲気。
当時の職人さんたちは手間と時間をかけていろんな意味が込められた彫刻を丁寧に彫りました。
例えば、葡萄の形は「繁栄」、アカンサス(葉あざみ)という植物は「長寿の象徴」を意味しているもの。縁起の良いデザインが多く使われました。
Style3 ジャコビアン様式
ジャコビアン時代に入ると、ダブルカップの形から、花瓶のような形へと進化をしたバルボスレッグ。
貴族や富裕層に好まれ、ルネッサンスの影響を受けた派手で凝った装飾から、シンプルで上品な雰囲気に変化していきました。
こんな風にバルボスレッグのデザインだけを見ていても、時代背景によっていろんなデザインがあり面白いんです。
POINT
バルボスを素敵に使うテク
存在感たっぷりでありながら、女性らしく華やかなバルボスレッグの家具は、英国スタイルのお部屋を作りたい方の支持率No.1のデザイン。
いろんなバルボスレッグの家具を、お部屋でもっと素敵に使うアイデアをご提案します。
Step1
基本は1点だけ
バルボスレッグの家具は、そもそも彫が重厚で存在感が大きなものが多いので、何も悩まず、1点をお部屋に置くだけで十分です。
1点だけで、英国トラディッショナルな世界観がお部屋の中に広がります。
Step2
迷ったらワントーン
「素敵なお部屋にしたいのに、どうしたらいいかわからない・・・」
そんな方には、一部屋まるごとバルボスレッグで揃えてみることをおススメします。
バルボスレッグはリビングやダイニングで使う家具のアイテムが多く作られているので、トータルコーディネイトすることも出来ます。
脚のデザインをバルボスでまとめるだけで、あっという間に英国アンティークらしい重厚な世界観のお部屋が出来上がりです。
Step3
シーンに合わせた3段活用
置くだけで華やかな雰囲気を作ってくれるバルボスレッグ。
どんなシーンにもたっぷりの存在感で、自己主張してくれるところが魅力です。
お部屋が違ってもアンティークらしさを醸し出してくれるバルボスレッグの3段活用を楽しんでみましょう。
キャビネット
Scene 01
玄関
お家の顔になる玄関を華やかに決めたい方はコレ!。
しっかりと太く、安定感があるのでドローリーフテーブルのようなダイニングテーブルの脚に使われています。
一番目立つ場所にバルボスレッグのキャビネットを置いてみましょう。
重厚感のあるバルボスレッグのデザインが、ワンランク上の玄関を演出してくれます。
Scene 02
ダイニング
みんなで食事を楽しむ場所、ダイニングに置くサイドボードも、バルボスレッグのアンティーク家具を置けば、英国らしい雰囲気が漂います。
ダイニングテーブルやチェアとお揃いにすることで、さらに重厚な雰囲気に。
毎日の食事が楽しくなる、家族で過ごす食卓が出来上がります。
Scene 03
書斎
リラックスさを求める個室は、大好きなデザインの家具を選んでみましょう。
特にビューローやドレッシングチェストなど自分だけが使う家具は、遠慮せず自分の「好き」を大切にして「好き」に囲まれた特別な空間を作ってみてはいかがでしょう?
毎日の始まりと終わりの時間がきっと、もっと素敵なものになります!
テーブル
Scene 01
リビング
快適に過ごしたいリビングでは、ソファの前にバルボスレッグのコーヒーテーブルを組み合わせてみましょう。
リラックスした時間を過ごすリビングで、お茶や読みかけの本を置いて・・・
小さなアイテムなので、気軽に使って実用的に楽しめます。
Scene 02
和室
バルボスレッグを、和室の畳と組み合わせれば、途端にオシャレな雰囲気に。
インテリアが苦手な方も、華のある英国アンティークを畳みと組み合わせるだけで、大正ロマンの雰囲気漂う、よりおシャレな空間を作ることが出来ます。
Scene 03
書斎
仕事や商談など、ちょっとカッコよく出来る雰囲気を作りたいお部屋はコレ!
バルボスレッグの重厚な雰囲気が、より英国らしいカッコよく落ち着いた雰囲気を作ってくれます。
VOICE
みんなのバルボスを見てみよう
新潟県 Yさま
リビングの空いている空間に「一生大切にできる物と丁寧に生活したい!」と思って選ばれたYさまのバルボスはサイドボード。
決め手は作り手の手間と愛情が感じられる、可愛らしく美しい彫りだったそうです。
思っていた以上の美しさに「家具以上の芸術品に出会った気分」と毎日大切にお使い頂いています。
「部屋の中心になるテーブルが来た事により、ここに集い、楽しいひと時を過ごす時間が増えました!」とバルボスレッグのドローリーフテーブルを選ばれたHさま。
「母も友達を招いて、お茶会が出来ると大喜びです。」どうやら、テーブルを軸に生活が変わる予感がしているようです!
石川県 Sさま
普段はサロンのカットスペース用のテーブルとしてコンパクトに使っていらっしゃるSさまが選ばれたのは、お花の彫りのバルボス。
「ドローリーテーブルのお花の彫りを見るたびにニヤけてしまうくらいこのテーブルはお気に入りです♪」
今日も頑張って働いているSさまを、バルボスレッグのドローリーフテーブルが見守っています!
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。
大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。
結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。
家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)
1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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サイドボード
バルボスレッグは脚のデザインだけでとても重厚感があるので、家具も大型のものが多いんです。
幅が広いサイドボードは、バルボスレッグと同じように、家具全体に彫りがたっぷり施されたものが多いんです。
重厚で豪華なデザインだから、置いた瞬間、パッとお部屋に花が咲く・・・そんな美しさが魅力です。
Item3セットで作られた
ダイニングチェア
もともと、ドローリーフテーブルの脚に合わせて同じデザインで作られたバルボスレッグのダイニングチェア。
アンティークの場合は、テーブルとセットで見つかることがあまりないので、もし同じデザインで見つけることができたら、とてもラッキーです!
布座で張り替えもラクチンな大きな座面の椅子で優雅な時間を過ごしてください。
BULBOUS
そもそもバルボスとは
バルボスレッグの始まりは古く、もともとはイギリスのゴシック様式の僧院の柱に使われていた球根のような形のデザインが始まりです。
その後、球根型の脚に彫刻が施されるようになり、その豪華な装飾は、いろんな家具の支柱や装飾に用いられました。一般的には、16世紀から17世紀初めごろのエリザベス女王時代に流行したデザインです。
年代によってバルボスの形が進化していきます。年代順に詳しく見てみましょう。
Style
時代で見てみようバルボスの形
Style1 チューダー様式
バルボスレッグが誕生したのは12~15世紀頃のチューダー様式です。
当初は、バルボスの表面に彫刻などの装飾はなく球状で、正式名称は「カップアンドカバーレッグ」と言います。
名前の通りで、カップが上下にくっついているようなデザインで彫りがあまり入っていないものがチューダー様式のバルボスレッグです。
Style2 エリザベス様式
16世紀後半になると、イギリスだけでなくフランスの家具の脚にもバルボスレッグが使われ流行しました。
この時代のバルボスは、球状の部分に彫刻が施されて、とっても豪華な雰囲気。
当時の職人さんたちは手間と時間をかけていろんな意味が込められた彫刻を丁寧に彫りました。
例えば、葡萄の形は「繁栄」、アカンサス(葉あざみ)という植物は「長寿の象徴」を意味しているもの。縁起の良いデザインが多く使われました。
Style3 ジャコビアン様式
ジャコビアン時代に入ると、ダブルカップの形から、花瓶のような形へと進化をしたバルボスレッグ。
貴族や富裕層に好まれ、ルネッサンスの影響を受けた派手で凝った装飾から、シンプルで上品な雰囲気に変化していきました。
こんな風にバルボスレッグのデザインだけを見ていても、時代背景によっていろんなデザインがあり面白いんです。
POINT
バルボスを素敵に使うテク
存在感たっぷりでありながら、女性らしく華やかなバルボスレッグの家具は、英国スタイルのお部屋を作りたい方の支持率No.1のデザイン。
いろんなバルボスレッグの家具を、お部屋でもっと素敵に使うアイデアをご提案します。
Step1
基本は1点だけ
バルボスレッグの家具は、そもそも彫が重厚で存在感が大きなものが多いので、何も悩まず、1点をお部屋に置くだけで十分です。
1点だけで、英国トラディッショナルな世界観がお部屋の中に広がります。
Step2
迷ったらワントーン
「素敵なお部屋にしたいのに、どうしたらいいかわからない・・・」
そんな方には、一部屋まるごとバルボスレッグで揃えてみることをおススメします。
バルボスレッグはリビングやダイニングで使う家具のアイテムが多く作られているので、トータルコーディネイトすることも出来ます。
脚のデザインをバルボスでまとめるだけで、あっという間に英国アンティークらしい重厚な世界観のお部屋が出来上がりです。
Step3
シーンに合わせた3段活用
置くだけで華やかな雰囲気を作ってくれるバルボスレッグ。
どんなシーンにもたっぷりの存在感で、自己主張してくれるところが魅力です。
お部屋が違ってもアンティークらしさを醸し出してくれるバルボスレッグの3段活用を楽しんでみましょう。
キャビネット
Scene 01
玄関
お家の顔になる玄関を華やかに決めたい方はコレ!。
しっかりと太く、安定感があるのでドローリーフテーブルのようなダイニングテーブルの脚に使われています。
一番目立つ場所にバルボスレッグのキャビネットを置いてみましょう。
重厚感のあるバルボスレッグのデザインが、ワンランク上の玄関を演出してくれます。
Scene 02
ダイニング
みんなで食事を楽しむ場所、ダイニングに置くサイドボードも、バルボスレッグのアンティーク家具を置けば、英国らしい雰囲気が漂います。
ダイニングテーブルやチェアとお揃いにすることで、さらに重厚な雰囲気に。
毎日の食事が楽しくなる、家族で過ごす食卓が出来上がります。
Scene 03
書斎
リラックスさを求める個室は、大好きなデザインの家具を選んでみましょう。
特にビューローやドレッシングチェストなど自分だけが使う家具は、遠慮せず自分の「好き」を大切にして「好き」に囲まれた特別な空間を作ってみてはいかがでしょう?
毎日の始まりと終わりの時間がきっと、もっと素敵なものになります!
テーブル
Scene 01
リビング
快適に過ごしたいリビングでは、ソファの前にバルボスレッグのコーヒーテーブルを組み合わせてみましょう。
リラックスした時間を過ごすリビングで、お茶や読みかけの本を置いて・・・
小さなアイテムなので、気軽に使って実用的に楽しめます。
Scene 02
和室
バルボスレッグを、和室の畳と組み合わせれば、途端にオシャレな雰囲気に。
インテリアが苦手な方も、華のある英国アンティークを畳みと組み合わせるだけで、大正ロマンの雰囲気漂う、よりおシャレな空間を作ることが出来ます。
Scene 03
書斎
仕事や商談など、ちょっとカッコよく出来る雰囲気を作りたいお部屋はコレ!
バルボスレッグの重厚な雰囲気が、より英国らしいカッコよく落ち着いた雰囲気を作ってくれます。
VOICE
みんなのバルボスを見てみよう
新潟県 Yさま
リビングの空いている空間に「一生大切にできる物と丁寧に生活したい!」と思って選ばれたYさまのバルボスはサイドボード。
決め手は作り手の手間と愛情が感じられる、可愛らしく美しい彫りだったそうです。
思っていた以上の美しさに「家具以上の芸術品に出会った気分」と毎日大切にお使い頂いています。
「部屋の中心になるテーブルが来た事により、ここに集い、楽しいひと時を過ごす時間が増えました!」とバルボスレッグのドローリーフテーブルを選ばれたHさま。
「母も友達を招いて、お茶会が出来ると大喜びです。」どうやら、テーブルを軸に生活が変わる予感がしているようです!
石川県 Sさま
普段はサロンのカットスペース用のテーブルとしてコンパクトに使っていらっしゃるSさまが選ばれたのは、お花の彫りのバルボス。
「ドローリーテーブルのお花の彫りを見るたびにニヤけてしまうくらいこのテーブルはお気に入りです♪」
今日も頑張って働いているSさまを、バルボスレッグのドローリーフテーブルが見守っています!
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号