自分で出来る家具の塗装方法|たんぽ擦りを使ったニス塗装のコツと手順

水野慎太郎
水野 慎太郎
たんぽ擦りを使ったニスの塗り方

簡単にプロの技!たんぽ擦りをご紹介します。

今回は、ハンドルでもアンティーク家具を修復する際、実際に使っている「たんぽ擦り」を使ったニスの塗装方法について詳しくご紹介していきます。

難しい技術も必要なく、初めての方でも簡単に、まるでプロが仕上げたようにニスを均一に塗ることが出来るので、ぜひ試してみて下さい!

分かりやすい動画はコチラから↓




たんぽ擦りとは?

そもそも、たんぽ擦りの「たんぽ」とは、綿を丸めて布や皮で包んだもののことをいいます。
拓本を作るときに、墨を含ませてたたいて使う道具のことですが、このたんぽを利用することで、慣れていない方でもカンタンにムラなくニスを塗装することが出来ます。

塗装を行う際、刷毛を使って塗るのが一般的ですが、慣れていない方が行うと、必ず色が重なることで色ムラになってしまいます。

その時におすすめなのがこのたんぽ擦りです。

たんぽ擦りは、伝統工芸などで漆を塗る際に使う技法でもあり、薄くとった塗料を何度も重ね塗りをすることで、薄い塗膜層を重ね上げ、美しい鏡面仕上げをしていく塗装の技法です。

同じ要領でたんぽに薄くニスを取り、アンティーク家具の天板に何層も塗膜層を重ねていくことで、色むらが少ないキレイな塗面膜を作ることが出来ます。

熟練の技が必要な漆などの工芸品とは違い、初心者でも簡単に行うことができる塗装方法です。

たんぽの作り方

まずは、たんぽ擦りの主役、たんぽの作り方について説明します。 ここで活躍するのが、100円均一などにも売っている、コンパクトな黒板消しです。

たんぽ擦りに使う黒板消し

さらに、キッチンペーパー、着古した綿のTシャツなどのはぎれを用意してください。

黒板消しに2枚重ねたキッチンペーパーを巻いていきます。

たんぽ擦りに使うキッチンペーパー

次に、小さくカットしたTシャツのはぎれをその上に巻いていきます。

たんぽ擦りに使うはぎれ

この時、黒板消しのクッションの部分を使うので、クッションの部分がしわにならないようにピンと張りながら巻き付けていきましょう。

たんぽ擦りを作る

キッチンペーパー、はぎれなどを巻きつけたら、たんぽが完成です。

たんぽ擦りの完成

テーブルの天板を修復していきます。

たんぽが完成したら、実際にテーブルの修復を行っていきましょう。
今回修復するテーブルは、実際にお客様が長年愛用されているアーコール社のテーブルです。

アーコール社のテーブルの修復

テーブルに輪染みや汚れ、また艶もなくなってきたため、今回、テーブルの天板をキレイにしてほしいというご依頼でした。
では、早速はじめていきしょう!

サンドペーパーで木目をキレイに整えていきます。

先ほど用意したたんぽはひとまず置いておいて、まずはテーブルの天板についた汚れを落としていきます。
ここで使うのが、「ケンマロン」というスポンジ型のサンドペーパーです。

ケンマロン

ハンドルでは400番~600番のものを使用しています。 これを、木目に沿って天板を削っていきます。

ケンマロンで天板を削る

この際、必ず木目に沿って研磨するようにしてください。 研磨することによって、天板についていた汚れや傷、もともと塗られていたニスなども削っていきます。
あまりゴシゴシとするともとの塗装まで剥がれてしまうので、表面を優しく削るような感じで削っていきましょう。

天板がキレイに研磨できました。

ケンマロンで天板を削る

全体をキレイに研磨することができました。

乾拭きします。

研磨した天板をキッチンペーパーを使ってきれいに乾拭きしていきます。

天板を乾拭きする

これで土台の完成です。

たんぽを使ったニスの塗装方法

天板の汚れを研磨して落としたら、主役のたんぽを使ってニスを塗っていきます。
ここで使うニスが、「シュラックニス」セラックニスと呼ばれるニスです。

シュラックニス

ホームセンターやネットでも販売されていて、気軽に手に入れることが出来ます。
ニスを使う際は、必ず使い捨ての手袋をを使用し、十分に換気を行いながら作業をするようにしましょう。

ゴム手袋をして修復

ニスに「うすめ液」を入れます。

たんぽの面全体が入る器を用意して、その中にニスを入れます。
さらに「ニスうすめ液」というアルコールを加えて混ぜて少しニスを薄めます。

うすめ液

先ほど準備したたんぽに、うすめ液で薄くしたニスをつけます。
この際、あまりたっぷりつけずに、表面につくくらい薄くニスを取るようにしましょう。

たんぽにニスをつける

次に、たんぽについた余分なニスをキッチンペーパーや手にはめた手袋につけて、少し落とします

ニスの量を調整する

ニスの塗り方

さぁ、いよいよ塗装です。まず、ニスを取ったたんぽを木目に沿って塗っていきます。 この際、天板にごしごし塗り込むのではなく、さ~っと木目をなぞるような感覚でニスを塗りましょう。

ニスを塗る

たんぽのニスがなくなったなと思ったら、またニスをつけて、少し落として同じようにニスを塗っていきます。

この作業を5~6回行います。 薄い塗膜を何層も重ねることで、色むらのない美しい塗装面に仕上げることができます。

ニスを半日乾燥させる

ニスを乾燥させます。

このままニスをしっかりと乾燥させるため、半日ほど置いておきます。

仕上げにワックスを塗ります。

ニスがしっかりと乾いたら、最後にアンティーク用のワックスを塗って仕上げていきます。 アンティーク用のワックス

ワックスを塗る時に便利なのが、「スチールウール」です。 スチールウールにもいろんな粗さがあるのですが、一番細かい000番を使用してください。

スチールウール

こちらもホームセンターやネットショップなどで販売しています。
もし、スチールウールがない場合はキッチンペーパーTシャツなどのはぎれなどでも大丈夫です。 それでは塗っていきましょう。

スチールウールでワックスを塗りこむ width=

スチールウールにワックスをたっぷりと取り、塗面を傷つけないようにワックスをたっぷり塗っていきます。
必ず木目に沿うようにワックスを塗ってください。

たっぷりとワックスを塗ったら、最後にキッチンペーパーで余分なワックスを取っていきます

アンティーク家具の天板の修復

家具の塗装が完成!

これで完成です! たんぽ擦りという技でニス塗りの作業を行ったので色むらもなく、美しく仕上げることができました。

アンティーク家具の天板の修復

特別な難しい技術も必要なく、初めての方でもご自宅で簡単に塗装することが出来るたんぽ擦りについてご紹介しました。
ぜひチャレンジしてみてください!





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水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13

【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41

古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号



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