シンプルさを追求した究極の形、ボウバックチェア

水野友紀子
水野 友紀子

アーコールの中でも最もシンプルな形で、ファンの多いボウバックチェア。

ボウ(弓)のようにカーブを描いた背もたれが、座ったときに腰をキュッと支えてくれる感じが、個人的にはなんとも大好き。
いろんな呼ばれ方をするアーコールチェアの中でも、このデザインは特に一番いろんな呼ばれ方をしている気がする。

背中の本数が一番多いものは、扇(ファン)の形に似ていることから「ファンバック」と呼ばれたり、櫛のように見えることから「コームバック」と呼ばれたり・・・。
一体、どれが正解なのか分からないけれど、みんなから親しまれた結果、付けられた様々な名前はどれも正解だと思う。

背もたれのバーの数え方も様々。全部で7本なのに、なぜか両端を数えず「5本!」と最初のディーラーに教え込まれたため、私の中では全部で7本あるものは5バック、6本のものは4バック、そして5本のものが3バック。

最初は、頭の中で7-2=5を計算するのが面倒だったけれど、でも、まれに見つかる超レアモデルの3バック(全部で5本)のことを考えると、数字が被らないこの数え方の方が間違いがないので、正しいのかな?とも思う(笑)

いずれにしても、背もたれの1本1本が微妙にシェイプされているシンプルさを追求したデザインのイスは、量産にこだわっていない時代だからこそ作られたデザイン。そんなシンプルさが心地いい。



【ご紹介したアイテム】

ボウ(弓)のようにカーブを描いた背もたれが特徴の、ボウバックチェア。


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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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