お家の床材と言えば、先日お話ししたフローリングがメインですが、他にも和室だったら畳、洗面所やお風呂、トイレなどはクッションフロアなどなど、他にもいろんな床材が使われています。
いろいろある床材の中でも、特に、お問い合わせが多いのがテラコッタタイル。私も、ずっと憧れていて、いつか家を建てる時がきたら使いたい!と思い続けていました。
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テラコッタタイルの選び方について
- 水野 友紀子
そもそもテラコッタとはイタリア語で焼いた土のこと。フランスやイタリアのお家で見かける土色の、土を成型して焼いた素焼きのタイルのことをテラコッタタイルと言います。
本来、土を固めて焼いているタイルなので、ほっこりした雰囲気が出てくるのは当たり前なんですが、日本のお家で使われているものは、本物のテラコッタタイルではなく、テラコッタ風タイルや、テラコッタの模様をコピーしたテラコッタ風のクッションフロアが多く使われているようです。
理解した上で使う分には問題がないのですが、気が付かず、敷いてしまった後で「思い描いていたものと、なんだか違う…」と問い合わせを頂くことが最も多いテラコッタタイル。
なので、テラコッタタイルに憧れている方は、まず、素材の違いをよく知っておいて、どれが自分に合っているかを考えたうえで選ぶことが必要です。
そもそもテラコッタタイルとは、先ほどもお話ししたように、土を固めて成形し、素焼きしたタイルのことを言います。
そのため厚みがあり、空気孔がたくさんあるのが特徴です。吸水性があって湿気をよく吸うのですが、逆に、水をよく吸うため、汚れを気にする方は水回りに使うことを避けられます。
空気孔がたくさんあるので、暑い夏でもサラサラした肌触りで涼しく、冬は冷たくなり過ぎないところが一番の特徴。
土を形成しているので、焼きムラなどがあり、合わせて貼ることで、表情が出て、ほっこり温かい雰囲気を作りあげてくれます。素焼きなので、表面にワックスを塗っておかないと、水分を弾きません。ワックスを塗って、メンテナンスする必要があります。
それに対し、テラコッタ風タイルとは、テラコッタのような模様をつけた磁器タイルのこと。タイルなので目地材も入れますが、磁器タイルにテラコッタの模様を印刷しているものなので、本物のテラコッタとは風合いが全く違うんです。
厚みも違えば、素材が全く違うため、裏側を見てみると、テラコッタの模様ではありません。
見た目はテラコッタそっくりに作られている磁器タイルなので、水をはじき、傷もつきにくいので扱いやすいのが特徴です。
さらにテラコッタ風のクッションフロアとは、テラコッタの模様を印刷したビニール素材の床材のこと。なので、取り扱いはとてもラクですが、テラコッタとは全く違うものなので、風合いが違うのは当たり前のことなんです。
お家を建てる際、予算が一番大切。なので、まずは予算を考えた上でどれにするかを決めることが重要です。
でも、テラコッタがいいと思っていて、気が付かない間にテラコッタ風のタイルを張っている方も多く、貼ってしまった後に、なんだか何かが違う・・・と感じているのが現状です。
まずは、本物のテラコッタタイルのことを知って、その上で、使い勝手を考えて、自分に合っているのはどれかを見極めて選ぶようにしましょう!
ちなみに・・・私の場合、どうしても本物のテラコッタタイルを使いたかったので、自分のイメージに合うものをいろいろ探しまくりました。
もちろん、汚れも気になったし、メンテナンスのこともめちゃくちゃ気になりました。・・・が、ずっと憧れていたテラコッタを譲ることはできず、結局、選んだのは、フランスのお城で使われていたアンティークのテラコッタ。
アンティークだけに、届いたとき、めっちゃくちゃ汚れていて、土や藁などもたくさん付いていたので、正直、ビックリ(苦笑)
それを一枚一枚、手で洗って乾かし、めっちゃくちゃ手間がかかったのですが、実際に、貼ってみると・・・やっぱりこれにしてよかった!と大満足でした。
使い始めて10年以上が経ちますが、実は、1回もワックスを塗ったことがない私(笑)もともと汚れていたので、これ以上、汚れることもないので気にならないんです(笑)
ちなみに、キッチンと室内テラス?で使っているんですが、水をこぼしてもテラコッタが吸ってくれるので、すっごく助かる~!お水をこぼした時は、ほぼ放置(笑)逆に醤油をこぼした時は、大慌てで拭いていますが、ズボラな私でも「すぐに拭かなきゃ!」と思えるので、きちんと掃除が出来て助かっているかも(笑)
お家で使う素材は、自分がきちんと理解して選んでいることが大事です。
女性に大人気の床材、テラコッタのことをしっかり理解して、自分に合うものを選んでみましょう。
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
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第521010008980号
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