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ミュージックキャビネットとは?|音楽と暮らすオトナの家具特集
- 水野 友紀子

名前の通り音楽を楽しむために造られた家具ミュージックキャビネットとは、もともとは楽譜を入れるために造られた家具です。
ヴィクトリア時代の上流階級のお家でお客様をお迎えするお部屋、パーラーにはピアノがあって、一緒に置かれていたのがミュージックキャビネット。
お客様に見せるために造られたミュージックキャビネットは小さなパーラーキャビネット的存在で、驚くほどに造りが贅沢なんです。
オーダーで作られているものが多いので、個性が際立つミュージックキャビネットの魅力についてお話しします。
Handle 水野 友紀子
ミュージックキャビネットとは

ミュージックキャビネットとは、楽譜やレコードなど音楽に関するものを収納するために造られた家具のことです。
ミュージックキャビネットが造られた時代、お客様をお迎えするパーラーには、音楽が楽しめるように必ずピアノなどの楽器が置かれていました。
楽器とセットで置かれていたミュージックキャビネットは収納家具としてはもちろん、客人に見られる家具でもあったので、とにかく贅沢仕様。
オーダーで造られているものが多いので、キャビネットタイプからチェストタイプ、さらにはマガジンラックタイプまで、個性的ないろんなデザインのものを見つけることが出来ます。
ミュージックキャビネットの魅力
01. 引き出し

一見すると小ぶりなチェストに見える引き出しタイプのミュージックキャビネット。
もともとは楽譜を収納するために作られた家具なので、引き出しを引っ張ってみると、前板がフラップ扉タイプになっていて、パタンと前に倒れ、楽譜が出し入れしやすいようになっています。
もちろん、引き出しをこのまま抜いて移動させることも出来るので、当時と同じように楽譜を収納するのはもちろん、デスク脇やリビングに置いて、書類や子どものプリントなどを入れて使うのにとても便利です。
02. 装飾・細工

ミュージックキャビネットは上流階級のパーラーで使われていた家具なので、高級木材を使って、特別注文で造られたものが多いのが特徴です。
使っていた人の個性やこだわりが見えるのはもちろん、時にはその部屋に置かれていた楽器が象嵌で描かれていることも。
また、夜に演奏した際、お部屋を明るくするようキャンドルを反射させる鏡が付いているものがあったり、お客様に自慢できるような装飾が入っていたり・・・いろんなデザインがあるのも特徴です。
03. サイズ

もともとは楽譜を収納するための家具なので、サイズがコンパクトなとことも魅力の一つです。
キャビネットタイプからチェストタイプ、さらにマガジンラックやスツールタイプまでいろんなものがありますが、ちょっとしたスペースに置ける小ぶりなサイズの割に、高級感たっぷり。
日本のお家にも取り入れやすいサイズと言う点も人気です。
ミュージックキャビネットいろいろ
ミュージックキャビネットは、一つ一つオーダーして造られたものが多いので、いろんなデザインのものがあります。
個性あふれるデザインをご紹介します。

1930年代 イギリス マホガニー材
引き出し型のミュージックキャビネット。楽譜が取り出しやすい引き出しが特徴的です。

1940年代 フランス
フランスらしいデコラティブな支柱が美しいオープンタイプ。楽譜を立てて収納出来ます。

1920年代 イギリス マホガニー材
トップの部分に鏡が付いた豪華なデザインのミュージックキャビネット。小さなパーラーキャビネットのような美しさです。

1930年代 イギリス ローズウッド材
スツール型のめずらしいミュージックキャビネット。座面の下に楽譜を入れることが出来るので、実用的です。

1930年代 イギリス オーク材
観音開き扉タイプのめずらしい形。天板を開けるとボックス収納になっている特別仕様です。

1900年代 イギリス マホガニー材
ミュージックキャビネットと呼ばれる家具の中で定番のデザイン。上段はガラス、下段は木製のフラップ扉です。

1930年代 イギリス マホガニー材
カンタベリーという名前の付いたマガジンラックタイプのミュージックキャビネット。足先にはキャスターも付いています。

1910年代 イギリス マホガニー材
ガラスキャビネットタイプのミュージックキャビネット。引き出しを引っ張るとミュージックキャビネットらしい箱型収納です。
ミュージックキャビネットの 使い方
もともとは楽譜を収納するために造られた家具ですが、楽譜を入れるのはもちろん、いろんな場所でいろんな使い方で楽しんで頂けます。
サイズもコンパクトなので、お部屋のちょっと空いたスペースに置いて、ワンランク上のお部屋づくりを楽しんでみましょう。
ROOM01 ダイニング

ダイニングルームで、食器棚とサイドボードの隣のちょこっと空いたスペースに置いてみました。
幅がコンパクトなので場所を取らず、ダイニング周りにある細々としたものをまとめて収納する場所に便利です。

引き出しタイプのミュージックキャビネットには、ご飯を食べる時に使うお箸やスプーンなどのカトラリーを収納する場所として超便利。
お客様が来た時に使うナプキンなどを入れたり、大切なカップ&ソーサーやケーキ皿なども収納して頂けます。
ROOM02 リビング

細々としたものがあふれるリビングで特に便利に使って頂けるミュージックキャビネット。
ついついテーブルの上に置きっぱなしになってしまう文具用品やリモコン、雑誌などを収納するのにピッタリの家具です。

ちょこっと空いている場所にも置ける上品な佇まいは、電話置き場にもピッタリ。
レコード盤を持っている方は、リビングで聞くレコードを収納する場所にもってこいの家具です。
ROOM03 書斎

仕切りが入っているオープンタイプのミュージックキャビネットには、レコードや楽譜を立てて収納するのはもちろん、本棚として使う使い方もおすすめです。
くにゃ~っと倒れてしまいがちな大判サイズの雑誌も仕切りがついていることでしっかり立てて収納できるからすっごく便利!

演奏した時の写真や表彰されたときにもらった盾やトロフィーなど、ディスプレイする場所もついています。
特に、フランスのアンティーク家具は優雅なシルエットのミュージックキャビネットが多いので、書斎を華やかに魅せてくれます。
ROOM04寝室

寝室は、自分だけの特別な場所。
デスクやドレッサーの横にミュージックキャビネットを置いて、日記や手帳をそっと収納してみてはいかがでしょうか?
子どもが学校でもらってくる大量のプリントを収納するのにもピッタリの場所です。

背が低いチェストタイプのミュージックキャビネットだったら、デスク脇に置くのにピッタリ!
また、ベッドの横に置いてテーブルランプや時計を置いてサイドチェストとして使っても便利です。
読みかけの本を収納したり、眠りをさそう心地よい音楽を聴いたり・・・寝る前の時間をリラックスして過ごしましょう。
ROOM05和室

和室との相性ももちろんバッチリなのがアンティーク家具の魅力。
また、サイズもそれほど大きくないので、和室にはガラス扉タイプのミュージックキャビネットがおススメです。

楽譜や本などを入れて実用的に使うのはもちろん、小さなパーラーキャビネットのような役割も果たしてくれて、とても便利です。
もともとのオーナーのこだわりがギュッと詰まったオーダー家具、ミュージックキャビネットと素敵な和室を彩ってみませんか?
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
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