フランスと言えばココ!と言っても過言ではないくらい有名な、フランス芸術を代表する世界文化遺産に登録された場所と言えば・・・
ヴェルサイユ宮殿。
今回は、ちょっと仕事を忘れて、観光気分で世界一豪華な宮殿「ヴェルサイユ宮殿」をお散歩してみましょう!
なんとなくヴェルサイユ宮殿は、ツアーで行かなきゃ行けない場所というイメージを持つ方も多いんですが、時間がない私たちはもちろんツアーは使いません(笑)
普通にSNCF(フランス国鉄)を使って出発です!
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【フランスさんぽ】バロック建築の代表作「ベルサイユ宮殿」
- 水野 友紀子
出発する駅は1837年に開業したパリで一番古いフランス初のターミナル駅「サン・ラザール駅」
当時は最先端だった鉄骨とガラスで建築された、当時、フランスの近代的象徴と言われた屋根が特徴的です。
モネがサン・ラザール駅を題材に作品を描いていることでも有名で、当時の絵にはこの天井が!唯一違うのが、列車。
当時の絵には、今のように電車ではなく蒸気機関車が描かれています。
横から見ると、とっても可愛いフランスらしいデザインの列車。
でも、中を見ると・・・結構ボロボロです(苦笑)
私たちもパリで宿泊するときのホテルは、どこに行くのも便利なのでサン・ラザール駅の周辺と決めています。さぁ、いつも使っている慣れ親しんだ駅から出発です!
トダマンがうつろな目で車窓を眺めていますが(笑)サン・ラザール駅からSNCFに乗って30分ばかり揺られてヴェルサイユ・リブ・ドロワ(Versailles Rive Droit)駅を目指します。
今回、切符の買い方が分からないという、1人旅の日本人男性に遭遇し、電車の車内、ずっと喋りながらヴェルサイユ宮殿までの道のりをご一緒しました。
さぁ、終点、ベルサイユ・リブ・ドロワ駅に到着です。
こうやって乗ってきた電車を正面に回って見ると・・・やっぱり古い(笑)
さぁ、駅舎を出ます!
駅を出てから歩いていけないこともないんですが、結構歩くので、バスの方がラクです。駅を出て道路を渡ったバス停からバスに乗って5分くらいの場所「EUROPE」で降ります。
ちなみに「ベルサイユ」とは街の名前。ヴェルサイユ宮殿は、英語で「Palace of Versailles」フランス語だと「Château de Versailles」。
バスに乗ったとき、運転手さんに「Château de Versailles?(シャトーヴェルサイユ?)」と(「シャトゥー?」だけでも通じます)」と聞いて、ベルサイユ宮殿行きのバスかどうかを確認しましょう。
バス停を下りてからは、ヴェルサイユ宮殿まで迷うことのないオシャレな並木道の一本道!
さぁ、到着です!!いろんな国の人が行列を作っています。
ココで荷物のセキュリティチェックを受けて、宮殿に入っていきます。
まず、お出迎えしてくれる「太陽門」
ルイ14世は「太陽王」と呼ばれていたので、門の上には太陽のモチーフが飾られていて、門全体が金色です。
フランス革命で取り壊された王の格子門は、2008年に復元されたんですが、このキラキラを出すために使われた金箔の枚数。どれくらいだと思いますか?
その数!なんと・・・10万枚☆あまりのキラキラにドキドキして、ピースをしながらまぶしさに目を閉じてしまったトダマン。
対照的に、あまりの嬉しさにこんなポーズをとる酒井先生(笑)さすがです。
向かって右側は団体客用の入り口。私たちは左側に向かいます。
ここはチケットブースの前室。私たちが訪れた時は、ほとんど並ぶことなくチケットが購入できました。
さぁ、ここからはヴェルサイユ宮殿について少しお話しようと思うんですが、世界史を履修していない私は・・・(大汗)ということで、今回は、ヴェルサイユ宮殿で購入した「ヴェルサイユ」という本の中から抜粋して書いていきます。
そもそもヴェルサイユ宮殿は、ヴェルサイユで初めての狩猟に感動したルイ13世が、狩りの時に寝泊りする小さな狩猟の館を1623年~1624年に建てたのが始まりです。
建てたばかりのヴェルサイユ宮殿は今のように豪華ではなく・・・普通(笑)。1641年にサンジェルマンで猛威を振るった天然痘から逃れるため、父王と弟と一緒に避難したルイ14世が、王になって何度もベルサイユを訪れるようになり、50年間にわたり増築し続けて豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿が誕生しました。
1682年に宮廷と政府が移動し、ルイ14世の絶対王政の本拠地になったベルサイユ宮殿の宮廷訪問者数は毎日3000~10000人。
宮殿の中に住んでいる貴族、官吏、召使いは4000人だったそうです。
3つの宮殿、庭園、公園、付属物を含み、面積は830ヘクタール、道路20km、樹木35万本、水路35km、窓2143枚、階段67カ所!
膨大な規模のベルサイユ宮殿は、ユネスコの世界遺産に登録されていて、宮殿内、庭園、マリーアントワネットの離宮まで見学しようと思うと、所要時間、なんと6~7時間!丸一日コースです。
ちなみに、私たちは、マリーアントワネット離宮が午後からのオープンだったので、所要時間2~3時間のヴェルサイユ宮殿内&庭園をお散歩してきました。
まずは、バロック美術の集大成!ベルサイユ宮殿内からです。
まず、宮殿に入って最初の見どころは「王室礼拝堂」
1710年に完成した王室礼拝堂は、ルイ14世時代にヴェルサイユで建立された最後の建造物です。
宮殿付属の礼拝堂は、伝統を重んじた二層の造りになっていて、階上席は国王や王族、宮廷要人の席で、それ以外の信者は1階でした。中央でキラキラ光って見えるのはロベール・クリコ作のパイプオルガンです。
ここでは、ルイ16世とマリーアントワネットの婚礼も盛大に行われました。中には入れませんが、1階と2階のドアが解放されていて中が見れるようになっています。
2階に上がってみると、こんな感じ。この大きなドアから、礼拝堂の中が見れるようになっているので、いろんな国の人でいっぱいです。
中もスゴイけれど、ドアもスゴイ!!キッラキラ輝いています。
2階からみた王室礼拝堂。もう、美しい以外の言葉が出てこない~!!礼拝堂内の柱は古代ギリシャの建築様式、コリント式です。
天井画は旧約聖書と新約聖書からテーマを得て三位一体の神秘を表現しているそうで、
中央→「救世主の到来を世界に告げる永遠の父」アントワーヌ・コワンベル作
祭壇の上→「キリストの復活」シャルル・ド・ラフォス作
王室階上席の上方→「聖母と使徒たちの上に降りる聖霊」ジャン・ジュヴネ作
が描かれています。
さぁ、それでは王の正殿から回っていきましょう!
ここは王の正殿の一つ「ヘラクレスの間」です。
ちなみに、「王の正殿」とは祝賀会やパーティー用の大広間のこと。
「ヘラクレスの間」「豊饒の間」「ヴィーナスの間」「ディアナの間」「マルスの間」「メルクリウスの間」「アポロンの間」それと、1678年から86年にかけて造られた大回廊「鏡の回廊」「戦争の間」「平和の間」が王の正殿です。
まず、「ヘラクレスの間」は、1664年にヴェネチア共和国からルイ14世に贈られたセルディテス修道院の食堂にあった、正面に見える大きな絵、1576年ヴェロネーゼ作の「パリサイ人シモン家の食事」を飾るために造られた部屋です。
1682~1710年まで第四礼拝堂があった場所に造られ、1715年から改修作業が始まりました。
そして天井を見上げて、見えるこの天井画、フランソワ・ルモワンヌの「ヘラクレスの神格化」が完成した1736年に改修作業は終了。
ヘラクレスの間が出来上がりました。
ここは「豊饒の間」
当初、この広間は、現在「ルイ16世の娯楽の間」と呼ばれ、遊戯の間として使われていました。
かつては金やダイヤモンドで飾られた壺や、エメラルドや翡翠、真珠などが象眼されたメノウ玉、中国や日本の磁器などなど、ルイ14世の貴重な所蔵品が置かれていて、重要な訪問客に見せる部屋だったそうです。
窓に面した「王の栄華」の扉の上を見ると、天井画の欄干に、ルイ14世の逸品コレクションが描かれていて、ルビーとダイヤモンドを施した国王のナイフやフォーク、ナプキンを入れる船形容器などが置かれていたことをここで確認することが出来ます。
正殿の夜会で軽食をとる場所として使用されていた「ヴィーナスの間」。
テーブルの上には菓子や果物、砂糖漬けの果物などを入れた銀の大皿が所狭しと並べられていたそうです。
この部屋には、ジャン・ヴァラン作の「ローマ皇帝の姿をしたルイ14世の全身像」が置かれています。
天井を見上げると・・・天井の楕円の画は、ルネ・アントワーヌ・ウアス作の「神々と強大国を従わせるヴィーナス」が描かれています。
この絵から、この部屋の名前が「ヴィーナスの間」になりました。
天井の中央にクロード・オードランの、狼たちが引く戦車に乗ったマルスが描かれていることから名前がついた「マルスの間」
マルスとはローマ神話の戦の神のことです。
1682年まで衛兵の間として使用されていたので、軍事的な装飾の多く、コーニスという天井部分のモールディング部分に、兜と武器が交互にデザインされています。
その後、正殿の夜会の時、音楽会が開かれるようになり「舞踏の間」とも呼ばれるようになり、1684~1750年まで暖炉の両側に楽士たちの演奏台が設けられていました。
ヴェルサイユ宮殿の中で最も贅を尽くした部屋が「メルクリウスの間」と「アポロンの間」。
もともと豪華な寝室だった、ここメルクリウスの間は、ヴェルサイユを博物館にする際、本来使われていたように寝室らしくしよう!と、部屋の真ん中にルイ14世の寝室用の寝台が置かれました。
1715年9月2日から9月10日までルイ14世の遺体が安置されたのも、この部屋だそうです。
さぁ、到着しました!見えますか??興奮冷めやらない様子(笑)ヴェルサイユ宮殿で最も有名な大回廊「鏡の間」と呼ばれる「鏡の回廊」です。
大回廊には、この「鏡の回廊」以外に、「戦争の間」と「平和の間」がありますが・・・鏡の回廊に圧倒されてしまって、写真を撮るのを忘れてしまいました(汗)
全長73メートルもある回廊。向かって左側には、357枚の鏡がはめ込まれています。右側は窓になっていて、ここから広大な庭園を見ることが出来ます。
そして、天井には、ルイ14世の第一画家だったシャルル・ル・ブランの30枚の天井画。1661年から1678年までのルイ14世の歴史が描かれています。
この鏡の回廊は、王の正殿に通じていたので、毎朝、礼拝堂に赴く国王を一目見ようと宮廷人がここに集まっていたようです。
鏡が極めて高価だった時代に、大きな鏡で覆われた、この鏡の回廊は、贅沢極まりない造り!
マリーアントワネットの婚礼舞踏会もここで行われましたんですが、やっぱり気になるのはシャンデリア!大きくてキラッキラに輝くガラスビーズがたっぷりついたシャンデリアですが、その数、全部で24台!!
実は、天井画を見るときにジャマになるという理由で、取り外しできるようになっているんです!祝祭の夕べだけに吊り下げられたらしいのですが、こんなに重そうなシャンデリアを取り外しするなんて・・・考えられない(大汗)
さぁ、次は「王の居殿」に向かいます。鏡の間から向かうには、ここ「牛眼の控えの間」を通ります。
1701年に作られた「第二控えの間」。王の起床と就寝の儀式の際の待合室として使用されていました。
私が個人的に気になったのは・・・間仕切りのつい立の絵。よーく見ると・・・プチポワンです!
さぁ、見えました「chambre du roi」
いよいよ「王の寝室」に入ります。
太陽王と呼ばれたルイ14世が、1701年に自らの象徴「日の出」に面する位置に設置を決めた「王の寝室」。
宮殿のほぼ中央にあって、1715年9月1日にこの部屋で息を引きとりました。その後、ルイ15世がここで同じように起床と就寝の儀式を行った場所。
1789年10月6日にヴェルサイユ宮殿からパリに連行される前に、ルイ16世とマリー・アントワネット王妃、王太子が、群衆の前に出て押し寄せた群集に頭を下げた場所がこの部屋のバルコニーです。
冬にはビロード、夏にはブロケード(錦織り)を張ったアルコープと呼ばれる空間を作り、豪華なベッドが置かれていました。
装飾がとても豪華な「大理石の階段」です。
この階段は、当初、王妃マリー・テレーズの居殿だけに通じていたので、「王妃の階段」とも呼ばれていました。
ここには金箔付きの鉛の彫像や、宮殿の外観を描いた大きな絵画が飾られています。
ここからは王女たちの居殿です。ルイ15世の娘たちの居殿で今も残っているのは1769年からフランス革命まで使われていた「アデライド王女の居殿」と「ヴィクトワール王女の居殿」だけです。
ここは、「ヴィクトワール王女の客間」
ルイ14世の時代に、「入浴殿」だった部屋が、後に「ポンパドール夫人の居殿」や「トゥールーズ伯爵夫人の居殿」になり、そして王女の居殿になりました。
個人的に大好きな「ヴィクトワール女王の寝室」この花柄、私の部屋に持って帰りたい~!!!
窓側のカーテンもおそろいの模様。めっちゃくちゃ可愛いんです。
ベッド周りのリネン類とカーテンの生地がお揃いで統一されているところも勉強になる~!
「ヴィクトワール図書の間」こんなところで本が読めたら・・・幸せすぎる!!!
他の部屋の天井はとても高いのに、この部屋だけは天井がとても低いんです。
家具もめちゃくちゃステキ~!!ライティングビューローには象嵌。椅子のデザインも美しい・・・
色使いもデザインも可愛い本棚の扉。これこそ、開けるたびにワクワクです。
ここは「アデライド王女の大客間」です。
壁に置いてある大きな家具に見えるものは、なんと!プライベートのパイプオルガン。
ルイ15世は毎朝、裏階段から王が自ら入れたコーヒーを持ってアデライド王女の居殿に降りて来て、ここで飲むことが多かったそうです。
アデライド王女は呼び鈴の紐を引いて、王が来られたことをヴィクトワール王女に知らせたとカンパン夫人の回想録に記されています。
そして、ここが「アデライド王女の寝室」
この部屋の花柄も、これまた可愛い~!!!ベッド周りはもちろん、壁紙、カーテン、つい立など、すべてがトータルコーディネイト。このまま連れて帰りたいデザインです。
この部屋は、たくさんの王族の寝室になった場所ですが、一番有名なのはルイ15世の愛人だったポンパドゥール夫人。なんだかフクザツ・・・(笑)
寝室内の椅子は1770年ごろに作られたものです。
さぁ、宮殿内はこれで終了です。ちなみに、ここは衛兵が控えていた場所ですが、この床!
市松模様に見える床全体が、なんと!!贅沢にも大理石なんです。
さぁ、ここからお庭の方に出ていきます。その前に、ヴェルサイユ宮殿で思わず興奮してしまったものをご紹介!
嬉しそうでしょう~(笑)Handleでも大人気の小さなチェスト「コモード」です。コモドとかコモードと呼ばれる家具は、もともと、引き出しが何杯かついている背が低めのチェストのこと。
日本でいう整理ダンスですが、17世紀末のフランスで造り始められたといわれているコモードは、装飾性が高くて、収納というより、眺めて楽しむ要素が強い家具です。
まさにコモードが生まれたのはこのベルサイユ宮殿!王室のお抱え家具職人が、豪華な装飾のコモードを作りはじめました。その後、鏡をかけた壁の下にコモードを置いてサロンなどで使われるようになり、ロココ様式の影響を受け、曲線デザインのコモードが人気になっていきました。
ここまで装飾は派手でではありませんが、私たちが見つけてくるコモードも、装飾のキラキラ感を抑えた曲線ラインが美しいんです。
→コモードはコチラから
アンティーク家具で見かける装飾の一つにパーケットリーと呼ばれる「寄せ木細工」があります。
そのパーケットリーが初めて使われたと言われているヴェルサイユ宮殿。その中でも有名なのが「ヴェルサイユ張り」と呼ばれるデザインのパーケットリーです。
それが、まさにこの床。大きな四角形の中に、斜めにラインを入れ、さらに小さな四角形が入っている、このデザインが「ヴェルサイユ張り」と呼ばれるパーケットリーです。
さぁ、「庭園」に出てベルサイユ宮殿を見てみました。
まずは、「水の前庭」と呼ばれる水平な2つの泉水です。こちらはベルサイユ宮殿に向かって左側の泉水。
庭園には神話や寓話から引用した人物や動物の石像、大理石像、鉛の彫像、ブロンズ像があちらこちらに置かれていますが、1685年頃に完成した水の前庭の周りは、庭園の軸線を妨げないように、横たわった力強い像で飾られています。
こちらは右側の泉水。
天才造園師アンドレ・ル・ノートルが設計した庭園は、解放感と広がりがあり、平面幾何学式庭園として平地を切り分け、川や池、泉や噴水などが造られています。
そもそも、水源がなかったヴェルサイユに湖や噴水を造るということが、この時代では考えられないこと!ルイ14世は10km離れたセーヌ川に巨大な機械を設置し、水源のなかったヴェルサイユに湖や噴水を造らせました。
「水無き地に水を引く」という言葉には、「王には自然をも変える力がある」という意味も含まれています。
広いでしょう~!ここが庭?!と思ってしまうくらい驚くべき広さ。
手前が「ラトナの泉水」でその奥が「ラトナの花壇」。散歩道を通り過ぎた奥が「緑の絨毯」と呼ばれる長い芝生道。そのさらに奥に「アポロンの泉水」が見え、そこから長さ1800mの「大運河」が始まります。
バロック建築は建物もすごいですが、庭園の方がもっとスゴイ!宮殿建築の労働者数が25000人に対して、庭園建築には・・・36000人!!
王の偉大さを人々に示したバロック様式の庭園造りで、最も大変だったのが噴水造りです。川からひいた水を貯水槽に溜め、水門をあけることで、より高く、より長い時間噴き上げるよう作られた噴水は、王の力の象徴でした。
まずは起点になっている「ラトナの泉水」。ここは、ヴェルサイユの数々の装飾のテーマにもなっている古代の作品、オヴィディウスの物語の「変身」が描かれています。
ルイ14世が自らの象徴と崇拝する太陽神アポロン。そのアポロンの少年時代の物語りを造りたい!という願望からこの泉水が造られました。
この泉水の真ん中に立っている像は、アポロンの母、女神ラトナがリキュアの村人に泥を投げつけられながら、息子たちを守っている銅像。
その周りのゴールド色の像をよく見ると、ラトナがゼウス神に頼んで、カエルに変身させられてしまった村人たちです。真ん中のアポロンを取り囲んでいる金色の像をよく見ると・・・確かにカエル!!
ラトナとアポロンはフロンドの乱の時の幼いルイ14世と彼を守った母を表し、カエルに変身させられた村人たちは貴族を表していて、王に反抗するものは許さないという宣言を示しているそうです。
広大な庭園は、左右対称に美しい幾何学模様を描く形で花や草が植えられています。一体、どうやってこんなにキレイに手入れが出来るんだろう・・・と不思議になるくらいの美しさ。
でも、実は、この美しい姿も、王の力の現れの一つ。植物を自然のままの姿ではなく、刈り込みを行うことで、王の支配下に置かれているということを表していました。
そして、奥に見える「スイス人の池」と呼ばれる広大な池。実は、沼地の干拓作業と泉水の掘削作業を手伝うためにスイス人傭兵隊が呼ばれたことから、この名前がついたそうで、当時、ヴェルサイユの作業現場では15000人が働いていました。
この庭を囲むように建っているのベージュの建物が「オランジェリー」です。オランジェリーとは、オレンジを冬越しさせるために作られた建築物のこと。
寒い場所で南の植物を栽培することが贅沢の象徴として、18世紀のヨーロッパで、たくさんのオランジュリーが造られました。
ベルサイユ宮殿のオランジェリーは、宮殿より低く、地面に埋まっていて、屋根が斜めになっている部分に100段の階段を設けて、地盤を安定させています。
南向きの二重窓、蓄熱させるため分厚く作られた壁のおかげで、冬でも5℃~8℃と安定しているオランジェリーに、10月になると大きなアーチ扉から、箱植えの木々たちを移動させて越冬させ、5月なると、庭園の管理人がお庭に運び出していました。
移動させるため、地植えではなく箱植え。ポルトガル産、イタリア産のオレンジ、レモン、ザクロの中には200年以上の樹齢のものもあるそうで、1080本の樹木がこの建物の中に収納されているそうです!!
さぁ、終了!記念にみんなで庭園をバックに記念撮影です。
本当はトリアノンとマリーアントワネットの領地に行きたかったけれど、ここまででクタクタ・・・(汗)楽しみは次回にとっておこうと思います。
今回、ご紹介したベルサイユ宮殿のような、フレンチスタイルのお部屋を、フランスからのアンティーク家具を使ってスタイリングしてみました。
↓↓↓
フランス風のリビングを造りたかったら、まずはプチポワンチェア。
マリーアントワネットが愛した刺繍、プチポワンらしく、ベルサイユ宮殿でもいろんな場所で見かけることが出来ました。
鏡の間で見たようなキラキラに輝くガラスビーズが付いたシャンデリアや壁付けシャンデリアもフランス気分のお部屋作りには欠かせないアイテムです。
女子力が高いお姫様家具もポイント。白地にゴールドの装飾が映える、フランスらしいチェストやドレッサーなどのフランスのアンティーク家具を並べるだけで、マリーアントワネット気分のフランスらしい寝室が作れます。
他にも、フランスらしいエレガントスタイルの家具を使ったお部屋をスタイリングして→コチラからご紹介しています。自分のお家でヴェルサイユ宮殿の雰囲気を楽しんでみたい方におススメです。
住所:Place d’Armes 78000 Versailles
電話|+33 1 30 83 78 00
閉館日:毎週月曜日
※庭園・公園は毎日開園
HP:http://www.chateauversailles.fr/
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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