今回、ご紹介するのは、世界中から観光客が集まるフランス西岸のサン・マロ湾に浮かぶ小島に建てられた世界遺産、「モン・サン=ミッシェル」です。
「海上のピラミッド」とも言われるモンサンミシェルは、11〜13世紀にゴシック様式の僧院が建設され、13世紀に現在の姿が完成しました。
1979年には世界遺産に登録!年間300万人もの観光客が世界中から訪れる観光地として大人気の場所です。
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世界遺産!モン・サンミッシェルへの旅
- 水野 友紀子
今回はめずらしくバスツアーに参加することにしたので、なんだかドキドキ。
集合時間はまだ外が暗い早朝。待ち合わせのバス停に到着すると、日本からの観光客で満席のバスが待っていてくれました。
バスでの移動時間は約6時間。なかなかの長旅なので、途中、ドライブインで休憩!イエ~イ(笑)
日本のドライブインとはまた雰囲気が違っていて、いろんなものが売っているので面白い~!
紙袋でたくさん販売されているのは何だと思いますか?
そう!フランスらしく中身はバゲット!1本1.45ユーロです。
もちろん、食べました(笑)
こんな感じでバス旅行を楽しみながら気づくと…
バスの車窓から…見えた!
左側の遠くに目的地、モンサンミッシェルを発見!テンションが上がります。
早朝、パリを出発してバスに揺られること約6時間。モンサンミッシェルに到着!ですが、まずは手前にホテルにバスが止まり、モンサンミッシェルの名物のふわふわのオムレツを食べることに。
・・・ところが!期待通り、なかなか出てこない…(大汗)
と言うことで、ガマンしきれないこの人は…!
遠くに見えるモンサンミッシェルを見ながら、インスタライブを始めてしまいました(笑)
ちなみに、モンサンミッシェルで有名なふわふわオムレツは、1888年にレストランを始めたアネット&ヴィクトール・プラール夫妻が、今のように道が整備されていなくて、お肉や野菜を手に入れられなかった時代に、空腹の巡礼者たちのために考えてつくったものと言われています。
やっと、オムレツが登場。モンサンミッシェルを眺めながら大慌てで食べます。
見た目は最高☆味は…塩を振ると美味しいです(笑)
お腹がいっぱいになったところで、モンサンミシェルに向かいます!
少し離れたホテルからだとこんな写真も撮れます(笑)
ココから歩いて行くことも出来ますが、シャトルバスに乗ることが出来るので、私たちは迷わずシャトルバスを選ぶことに(笑)
さっき、インスタライブをしていた時と、空の色が違う?!と思っていたら、この後、シャトルバスを降りた瞬間、ビックリするくらいの大雨(涙)
みんな傘を使っていましたが、使い物にならないくらいのドシャブリで、息が出来ないほどの風(大汗)
全員、ずぶ濡れになってテンションがダダ下がり…こんなにずぶ濡れでどうなるの?と思いながら、修道院へ向かうことになりました(涙)
…が!一歩足を踏み入れると!テンションが上がりまくり~(笑)
めっちゃくちゃ可愛い町並みは、まるでUSJのハリーポッターの世界!
実在していることが不思議なくらい、まるでおとぎ話の世界に飛び込んだ気分デス(笑)
あんなに降っていた雨も落ち着いてきて、落ち込んでいた気分も上がってきました。
とは言え、ズボンと靴はずぶ濡れ。
あまりに冷たいので、ジーパンの裾を上げて修道院を目指します。
グランド リュの終点から修道院の入口までは、階段が300段!
だんだん近づいてきました!
大きな赤い門もカッコいい!チケットを購入してさらに階段を上ると…
見えた!大天使ミカエル☆
ちょっと遠すぎるので、こんな感じで近づいて写真を撮ってみましたが、まだよく見えない~!
もう少し上っていくと修道院教会と西のテラスが目の前に。
修道院教会の頂上に黄金に輝く大天使ミカエルの彫像は、19世紀の彫刻家エマニュエル・フレミエが1895年に製作したもの。
小さいですがキラッキラに輝いて圧倒的な存在感☆
テラスから振り返ってみると、こんな感じでさっきずぶ濡れになった桟橋が見えます。
それにしても、スゴイところに建っているんだな…とビックリ。
建物内に入ると、モンサンミッシェルのレプリカを発見。
ここはモンサンミッシェル大修道院附属教会。
ひんやりとした空気が広がり、一気に厳粛な雰囲気に包まれています。
教会につきもののパイプオルガン。どんな音を奏でるのか聞いてみたい…
ここに展示されているのはドラゴンを退治する聖ミカエル像。
そもそもモンサンミッシェルは、708年にモンサンミッシェルに近いアヴァランシュの街の司祭だったオベール司教が夢の中で大天使ミカエルのお告げを受けたことから建てた修道院です。
「あの岩山に聖堂を建てよ!」
と命じられたオベール司教は夢だと思い建てずにいると、もう一度同じ夢を見ることに。
それでも建てずにいると、怒った大天使ミカエルが「なぜ言いつけを守らないんだ!」とオーベル司教の頭を指で押して、頭蓋骨に穴をあけてしまったとのこと!!
ビックリしたオーベル司教がすぐに教会を建てると、それまで陸続きだった場所が、一夜にして海に囲まれる孤島になったと言われています。
ちなみに、モンサンミッシェルという名前の「モン」は山「サン・ミシェル」は「聖ミカエル」という意味。
要は「聖ミカエルの山」です。
教会の中央ホールは、重厚感と力強さが特徴のロマネスク様式。
教会の一部が戦争で壊されてしまいましたが、15世紀にゴシック様式の華麗な教会として再建されました。
この部分はロマネスク様式。
天井をよく見ると…木!最上階にある教会部分を軽くするために木を使ったそうです。
薄暗いロマネスク様式の静けさと、ステンドグラスから降り注ぐゴシック様式の明るい光が作るコントラスト見事な教会です。
附属教会を抜けて進むと出てくる場所がココ!「ラ・メルヴェイユ」の回廊です。
ラ・メルヴェイユとはフランス語で「驚異」や「驚嘆」と言う意味。
あまりの美しさから、こんな風に呼ばれるようになったようです。
1228年に建てられた三層構造の修道士の居住空間で、ゴシック芸術の最高傑作と称されている場所。
回廊は2本1組の柱が少しずつずれてズラリと取り囲んでいるので、永遠に続いているような不思議な錯覚を生み出しています。
修道士たちはここを歩きながら休憩したり、瞑想にふける場所だったようです。
グリーンの部分には薬草が植えられていて、巡礼者の治療などが行われていたそうです。
柱の間に施された装飾もとっても美しくて、眺めているだけで癒されます。
次は修道士たちが食事を取っていた食堂。
明るい空間にアーチ型の天井が美しく、厳粛さと優雅さが共存している場所。ここの天井も木です。
当時ここではおしゃべりは禁止!聖人の生涯を朗読する声だけが響き、他の修道士たちは静かに耳を傾けていたそうです。
食堂の床のタイルが超カワイイ!
フランスらしくて、めっちゃくちゃおしゃれ☆
さらに階段を下りていくと「迎賓の間」。
ここは高貴な巡礼者たちを迎えるため、豪華な装飾が施されていて、中世のもてなしの精神を感じる美しい空間です。
食堂を抜けて進むと、突如現れる巨大な車輪!何だと思いますか??
実はこれは、エレベーターとして使われていたもの。
フランス革命後、監獄として利用されていたモン・サンミッシェル。囚人6人がこの車輪を回し、2トンの食料や資材を下の階から運び上げていたそうです。
そして、ここは修道僧の遊歩道。
すごい石造りで、本当にタイムスリップしたような感覚になります。
夜訪れると怖いんだろうな~
遊歩道を抜けると、修道院内部の締めくくり「騎士の間」に到着。
暖炉がある落ち着いた空間で、当初は休憩室として使われていましたが、14世紀以降は学習や研究の場にもなったそう。
修道士たちは、ここで何を考え、学んでいたのかな??
さぁ、全てを見終わって、外に出てきました。
ここからも黄金のミカエル像が見えるので、酒井さんはお得意のポージングで全力で喜びを表現中!(笑)
ボクも負けじと喜びを全力で表現中(大笑)
帰りはさっき来た道を帰る人たちと分かれて、私たちは別のルート、城壁コースで海沿いを歩く道で帰ることに。
バイバーイ!あとでね~
城壁コースはこの2人と私の3名。がんばろう~!
ちょうど修学旅行の子どもたちと一緒になった北の塔。
ここから見ると、周りには何もなくて、海の真ん中に立っているのがよーくわかります。
潮が引いた場所で遊んでいる子どもたち。奥には、さっきずぶ濡れになった桟橋が見えます(笑)
昔はこんな立派な橋はなかったので、モンサンミッシェルまでは苦難の道のり。
道中で亡くなってしまう人もいたので、遺書を書いて渡る人がいたくらい命がけで訪れる場所だったそうです。
そう思うと、私のずぶ濡れくらい…我慢できる!と思って気付いたら、すっかり乾いていました。あのずぶ濡れの靴が乾くなんて…フランスがどれだけ乾燥しているのかよく分かります。
ここは堅牢な城壁「ブークル塔」
百年戦争の時代には軍事拠点としての役割を果たしていたモンサンミッシェル。その際、見張り塔として使われていたそうです。
今は湾が一望できるビュースポットになっています。
ここはグランドリュの裏側。どのお店も裏側まで超カワイイ~!
約200mの緩やかな坂道に、レストランやお土産屋さんが立ち並んでいて、建物は観光地化が進んだ19〜20世紀のものが多いですが、重要文化財に指定された歴史ある建物も点在しているようです。
城壁コースだと、上から建物が見えるのでおススメです。さぁ、戻ってきました!
合流して、みんなで写真撮影。
全員、ずぶ濡れだった洋服がキレイに乾きました。
しつこいですが、さっき息が出来ないほど風雨にさらされた桟橋。
さっきとは違って穏やかなお天気。
バスに戻ってからガイドさんが言うには、このお天気こそがモンサンミッシェルだそうです(大笑)
いつ雨が降ってくるか分からないので、絶対に傘は必須アイテム☆(使い物にならないくらい降りますが(笑)雨具があるといいと思います。
そして、シャトルバスに乗って、戻ってきたところで、みんなで記念撮影。
荘厳な修道院としてだけでなく、監獄や要塞、そして中世建築の工夫が詰まった「タイムカプセル」のような場所でした。
天空にそびえる修道院への旅、フランスに行った際は、ぜひ訪れてみてください。
モン・サン・ミッシェル
・住所:L'Abbaye, 50170 Le Mont-Saint-Michel, フランス
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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