取っ手・引き手

水野友紀子
水野 友紀子

取っ手・引き手

アンティーク家具における取っ手・引き手において、金具の引き手の素材は真鍮か鉄が一般的です。

真鍮製のぶら引き手は17世紀初め頃、真鍮板にスタンプ模様の通し座金がついたものは17世紀中ごろから主流になりました。

フランスのジュエリーのような優美なデザインのものに比べて、イギリスのものは装飾がややおとなしく抑えられています。

家具に合わせた取っ手・引き手は様々なデザインで、一つ一つ見比べてみる楽しみもあります。




イギリスのカップボードです。 イギリスの家具らしく重厚感があるデザインで、その取っ手は引出しと扉で使い分けられています。
引出しには、中心に花の模様を施したバングルの形をしたものを、扉には、ドロップタイプの取っ手を用いています。




フランスのチェストの引出しには、フランスアンティークらしい、エレガントで優雅な雰囲気を醸し出す ジュエリーのような取っ手が使われています。 このようなフランスのチェストには、このように美しい取っ手が多く使われており、取っ手の違いで家具のもつ雰囲気も変わってくるほど 存在感がある重要な役割を果たしてくれています。




同じくフランスのホワイトペイントのドレッシングテーブルです。
女性らしいホワイトペイントの家具には、その雰囲気をそのままに上品で美しい取っ手が使われています。




イギリスのウォッシュスタンドの取っ手には真鍮の華やかな取っ手が使われています。
ウォルナット材の濃い色合いに、真鍮の取っ手が美しく映えて、アクセントになっています。




このようなタイプのヴィンテージのサイドボードには家具と一体感を出すようなシンプルな取っ手・引き手が使われていることが多いです。
アンティーク家具には引き戸が使われることは少ないですが、この頃になるとこのようなサイドボードやキャビネットで引き戸を使った家具が 見られるようになり、シンプルな引き手が使われているようです。




家具が作られた時代やデザインによって、使われている取っ手・引き手も様々で、家具の雰囲気を決めてくれるアイテムとなっています。 そのデザインや仕様も様々で、色々なデザインを見比べてみるのもアンティーク家具の楽しみの一つです。


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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

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