今月は、ヴィクトリア様式のアンティークソファセットを主役にした、
梅雨の季節にぴったりなサロン風コーディネートをご紹介します。
「アンティークソファは素敵だけど、どう合わせたらいいか分からない…」という方に向けて、
セットのソファやチェア、ラグ、ダイニングセット、小物の組み合わせ方を、写真と一緒に分かりやすく解説します。
テーマは、誰でも真似しやすいヴィクトリアンスタイルの部屋づくり。
ポイントを押さえれば、アンティーク初心者の方でも、お家でサロンのような空間を楽しめます。
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ヴィクトリア様式のアンティークソファで彩る梅雨のコーディネート術

- 冨田 文代
コーディネートのポイント
ソファセットで主役ゾーンを作る
お部屋をヴィクトリアンスタイルに近づけたいとき、まず決めたいのが主役となるソファ。
濃いマホガニーのフレームにマスタードカラーの張り地が映える
アンティークソファは、
ヴィクトリア様式らしい存在感のある一台です。
背もたれ中央の彫刻や、ふっくらとした座面のラインなど、細部のデザインがしっかりしているソファを選ぶと、
お部屋全体がぐっと引き締まります。
同じマスタードカラーで揃えた
アームチェアと
スツールは、
ソファとセットで使いたいアイテム。
ソファ・チェア・スツールの3点をひとかたまりとして配置することで、
自然に「サロンコーナー」ができます。
スツールはオットマンとして足を乗せるだけでなく、来客時の補助イスとしても活躍。
コンパクトなので、模様替えのときにも動かしやすい優秀な存在です。
足元に敷いたのは、赤とネイビーを基調にした
クム産のペルシャ絨毯。
ラグの中に入ったイエロー系の色がマスタードカラーの張り地とリンクして、
ソファセット全体をきれいにまとめてくれます。
ソファとラグの色を「リンクさせる」だけで、
コーディネートに統一感が出るので、色選びに迷ったときの目安になります。
チェアのまわりを彩る家具たち
サロンセットのそばに置いたのは、繊細な彫刻が美しいマホガニーの
ウィッグスタンド。
もともとは1750年頃の洗面用スタンドとして使われていた家具ですが、
今は花器やランプを乗せる小さな飾り台として活躍してくれます。
ソファと同じマホガニー材で揃えることで、素材感に一体感が生まれ、
サロンコーナー全体が落ち着いた印象にまとまります。
ウィッグスタンドの上に飾ったのは、 ウェッジウッドのペールブルーが爽やかな
花器。
白いレリーフと淡いブルーの組み合わせは、
ヴィクトリアンスタイルの中に少し軽やかさを足したいときにぴったりです。
ふんわりとした白い紫陽花を合わせれば、
梅雨の季節でもすっきりとした窓辺のコーナーが出来上がります。
窓辺には、スラリとした脚とお花の彫刻が可憐な
オケージョナルテーブルを。
サイドテーブルとしてカップを置いたり、飾り棚として小物を並べたり、
1台あるだけで使い道が広がる便利なアンティークです。
今回は、シルバーのランプと
小さなフクロウの置物を合わせて、
ヴィクトリアンらしい落ち着きの中に、少し遊び心を添えています。
ダイニングセットとキャビネットでサロンを広げる
サロンの雰囲気をダイニングにもつなげたいときは、
ソファと同じマホガニー材のテーブルを選ぶと、空間に一体感が生まれます。
今回セレクトしたのは、1930年代イギリス生まれのドローリーフテーブル。
両端の天板を引き出すだけでサイズを変えられるので、
普段の食事から来客時のティータイムまで、幅広く対応できます。
正統派の脚のデザインは、サロンスタイルのお部屋にもよく似合います。
合わせたダイニングチェアは、艶のあるマホガニーのフレームに、
淡いブルーグレーのベルベット座面を張った一脚。
背もたれの透かし彫りは、繊細な曲線がきれいで、
テーブルと椅子をセットで見たときに、ヴィクトリアンらしい上品さが際立ちます。
テーブルとチェアは、木部の色と雰囲気を揃えると、簡単に「お揃い風」に見せることができます。
ダイニングの側には、ステンドグラス扉が目を惹く
マホガニーのアンティークのキャビネットを。
細い脚の曲線や、天板まわりの装飾、象嵌まで細やかに作り込まれていて、
「見せる収納」としてお部屋の質感を高めてくれます。
グラスやお気に入りのティーセットをしまっておけば、扉を開けるたびに楽しくなる一台です。
扉を開けると、ステンドグラス越しの光が差し込んで、
中に並べたグラスや小物がやわらかく照らされます。
実用的な収納として使いながら、
ダイニングの雰囲気をワンランク上げてくれるサロン風キャビネットです。
小物でプラスする英国ヴィクトリアンの上質感
コーヒーテーブルの上には、まず白い
レースドイリーを一枚。
その上に、季節の花を入れた
プレスドグラスのボウルと、
淡いブルーのティーカップを並べました。
レース・ガラス・淡いブルーの組み合わせは、
ヴィクトリアンスタイルの中に軽やかさと清潔感を足してくれる定番の組み合わせです。
ティータイムの主役には、ロココスタイルのフォルムが美しい
シルバーティーセットを。
1810年頃、英国シェフィールドで作られたセットで、
マホガニーのテーブルと並べると、歴史ある上質感が自然と伝わってきます。
実際にお茶を淹れるだけでなく、
今回のようにシュガーボウルに花を飾るだけでも、テーブル全体が華やぎます。
今月のスタイリングのまとめ
今月は、ヴィクトリア様式のアンティークソファを中心に、梅雨の季節でも上品に楽しめるサロンスタイルをご紹介しました。
この雰囲気をお部屋で再現するために、特に意識しておきたいポイントは次の3つです。
1. 主役ソファを中心にサロンセットを組み立てる
2. サロンセットに合う家具を、同じ木材でそろえて統一感を出す
3. 小物で「英国ヴィクトリアンらしい上質感」を添える
ソファ・チェア・スツールは同じ張地と木材で揃えることで、サロンらしいまとまりが生まれます。
さらに、ダイニングテーブルやキャビネットもマホガニー材で合わせれば、お部屋全体に落ち着きと品格が加わり、クラシカルな美しさがより引き立ちます。
小物には、白いレースのドイリーやプレスドグラスのボウル、淡いブルーのティーカップ、さらにウェッジウッドの花器など、ヴィクトリアンらしい“上質さ”を感じるアイテムを添えるのがコツ。
大げさな装飾をしなくても、素材の良さを活かすだけで、ぐっとサロンらしい空気がまとまります。
ぜひ、あなたのお部屋にもヴィクトリア様式のアンティークを取り入れてみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q1. ヴィクトリア様式の家具は普段使いしても大丈夫?
A. もちろん問題ありません。アンティークソファやチェアは、しっかり修復した上で販売しているので、普段のリビングやサロンでも安心してお使いいただけます。張地やフレームの強度も確保されています。
Q2. 木材の色を揃えるメリットは?
A. サロンセットと同じマホガニー材や同系色の木材で統一すると、お部屋全体に“落ち着き”と“品の良さ”が加わります。特にヴィクトリア様式では、家具同士の色合わせがまとまりを作る大切なポイントです。
Q3. サロンに置く小物はどんなものを選ぶと失敗しない?
A. レースのドイリー、プレスドグラス、銀器、淡いブルーや白を基調としたティーセットなど、素材の上質さが感じられるアイテムが相性抜群です。色を散らしすぎず、“少数精鋭”で飾るのが成功のコツです。

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冨田 文代
アンティークショップHandle コーディネーター
カラーコーディネーター2級(東京商工会議所主催)
ファッション販売能力検定2級
高校・中学校教諭1種免許(家庭)服飾デザインが好きで、大学では服飾美術を専攻。アパレル会社に勤務していたが、地元に戻ることになりHandleへ。
アパレルでの経験を活かし、洋服をコーディネートするように、おしゃれなお部屋のコーディネート方法を分かりやすく記事にし配信している。
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