脚の折れてしまったチェストの修復方法、ボンドの接着が最大のポイント!

水野慎太郎
水野 慎太郎

大切にお使い頂いている家具が、何かしらのアクシデントで破損してしまう・・・という悲しいことは、 毎日生活しているとどうしても起こってしまいます。 そんなときでもHandleのアンティーク家具なら、お直しが出来ちゃいます! そんなお直し方法をご説明していたいと思います。 今回はこちらのチェストの脚の部分です。

アンティーク家具の折れた脚の修理

残念なことに、繊細な後ろ脚が1本ポキッといっています。 小ぶりなチェストでデザインも繊細なので、脚が少し細めです。

脚の修復2

まずは、木工用ボンドで折れたアンティークチェストの脚を接着していきます。

実はココが、お直しがキレイに仕上がるかどうかの最大のポイントでもあるんです。 この接着が隙間なく、元の脚のような位置に持ってこれるかどうかが最後の仕上がりに影響してきます。 いきなり一番の緊張の場面です。

脚の修復3

キレイに接着できたら、ハタガネを使って脚の四方を締めて、ボンドが完全に乾くまでに1日ほどおきます。 しっかりと隙間なく締めていくのがコツなんです。

脚の修復4

はみ出たボンドは水で塗らしたタオルできれいに拭き取ります。 ここでちゃんと拭き取らないと後からが汚くなるので、しっかり拭き取っていきます。

脚の修復5

接着剤が完全に乾いたのを確認しハタガネをはずして、折れた脚の強度を増すために細いビスを打ち込んでいきます。 このときに残っているボンドもケンマロンでキレイに削っておきます。

脚の修復6 脚の修復7

ビスの頭が見えてしまうと格好が悪いので、アンティーク家具用のロウを色を合わせて選び、きれいに頭が隠れるように埋め込んでいきます。

それからチェストの折れた脚の切れ目をアンティーク家具用のステインで補色して隠していきます。 この補色でのぼかし方の技術が難しいところです。

脚の修復8

アンティーク用のステインがしっかり乾いたら、シュラックニスを刷毛を使って丁寧に塗って行きます。

脚の修復9

最後に仕上げとしてアンティーク家具用のワックスを塗って仕上げます。

脚の修復完成

じゃん!!完成です。

脚が折れてしまっても、実際の生活で使っていただくのに問題がないくらいの 強度が取れるような場合の破損であれば 上記のようにお直しをしていくことが可能なんです。 なので、もしお使い頂いていて家具に不具合が出てきた時にはぜひ、お気軽にご相談下さいね。


  • Instagram
  • LINE
  • メルマガ
水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13

【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41

古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号

関連商品はこちら



記事をシェアする

この記事に関連するカテゴリ