アンティークテーブルの天板に出来た輪染みを取ります!

水野慎太郎
水野 慎太郎

ハンドルのアンティークサイドテーブルボードをお使いのお客様からの「天板に輪染みがついてしまったので、キレイに取ってほしい」とのご依頼を受けました。アンティーク家具の塗装は、現代の化学的な塗装と違ってコーティングされていないため、体に害が少なく、付いてしまった輪染みも取ることが出来ます!

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お客さまからご依頼頂いた家具が届きました。

輪染みが付いた家具を見てみると・・・

送っていただいた家具を見てみると輪ジミがついてしまっているのが分かります。

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では早速この輪ジミをキレイにしていきます!

まずは天板全体のニスと汚れを落としていきます。

ケンマロン(布製の研磨剤)を使って、天板全体の表面についた汚れや古いニスやワックスを削り落としていきます。
実は、この作業だけで付いていた輪ジミがほとんどの場合取れます。

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と言うのも、先ほどお話ししたように、アンティークの家具の塗装は、現代の様に化学的なものは使われていません。
なので、輪染みは熱さや水分などによって、塗装が浮き上がっていることがほとんどなんです。

削って出てきたものをキレイに拭き取ります。

キレイな布で乾拭きをしてホコリを取り、輪ジミが消えたことを確認します。

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上手に消えていない場合は、再度ケンマロンで削ります。
輪ジミが消えるまでこの作業を繰り返し行います。
ここで木目に逆らって削ると家具を傷つける恐れがあるので、必ず木目の方向に沿って削っていきます。

ニスを塗ります。

輪染みがキレイになくなったら、ハケを使ってシュラックスニスを天板全体に塗っていきます。

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輪染みが出来た部分だけ塗りたい気分ですが、全体に塗らないと色ムラが出てしまうので、全体をキレイにして塗りなおします。なかなかキレイに塗るのは難しく、熟練の技が必要です。

ワックスを塗って仕上げます。

仕上げにアンティーク用のクリアワックスを塗りこんでいきます。

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キレイに塗っていくと、だんだんツヤが出て輝いてきます。

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よく乾いたら、キレイなウエスを使って乾拭きをしていきます。

完成です!

キレイに仕上がりました。輪染みもどこにあったか分からないくらいにキレイになりました。

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アンティーク家具に限らず、木製の家具は生活をしていく上でも「道具」なので、どうしても傷や汚れ、輪ジミなどはついてきます。
その傷や汚れもそのまま自分たちの歴史、家具の味わいとしてお使い頂けるのがアンティーク家具の最大の特徴です。
このようにどうしても気になる傷や汚れなどができてしまった場合、少し手を加えてお直ししながら使い続けていくのもアンティーク家具ならではのものです。

これからもお客様のもとに届いたアンティーク家具で新しい歴史を作っていってほしいなと思います。

今回修復したアイテム

アンティークのテーブルはコチラからご覧いただけます。


水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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